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9/27 ある知者の洞察(第50回)~男女関係の倫理〜

執筆者の写真: 平岡ジョイフルチャペル
平岡ジョイフルチャペル
9月27日
読了時間: 6分

2026年9月27日 主日礼拝

聖書講話     「ある知者の洞察(第50回)~男女関係の倫理〜」

聖書箇所    コヘレトの言葉  7章26〜27節   話者 三上  章


          [聖書協会共同訳]

     [下線は改善の余地があると私には思われる部分]

コヘレトの言葉 7章 26節 私は見いだした、女は死よりも苦いと。/女は罠、その心は網、その手は枷。/御心に適う人は彼女から逃げ出すことができるが/罪人はこれに捕らえられる。27節 「見よ、これこそ私が見いだした」/とコヘレトは言う。/一つ一つ積み重ねて見いだした結論。


  以下は,ヘブライ語(MT)とギリシャ語訳原文(LXX)の解明に基づく三上の私訳と講解.両者とも,各用語の解明に基づく逐語訳に努めた.MTを主とし,LXXと比較しながら講話を進める.


26

וּמוֹצֶ֨א אֲנִ֜י מַ֣ר מִמָּ֗וֶת אֶת־הָֽאִשָּׁה֙ אֲשֶׁר־הִ֨יא מְצוֹדִ֧ים וַחֲרָמִ֛ים לִבָּ֖הּ אֲסוּרִ֣ים יָדֶ֑יהָ טֹ֞וב לִפְנֵ֤י הָאֱלֹהִים֙ יִמָּלֵ֣ט מִמֶּ֔נָּה וְחוֹטֵ֖א יִלָּ֥כֶד בָּֽהּ׃

そして発見している←わたし自身が/苦い(or より鋭い)←死より/その女性について/←ところの←罠(pl.)である,そして地引網(pl.)である←彼女の心は.拘束具(pl.)である←彼女の両手は.善い男性は←神の顔の前で/逃げるであろう←彼女から.そして悪をなしている男性は,捕獲されるであろう←彼女の中で.

καὶ εὑρίσκω ἐγὼ πικρότερον ὑπὲρ θάνατον, σὺν τὴν γυναῖκα, ἥτις ἐστὶν θηρεύματα καὶ σαγῆναι καρδία αὐτῆς, δεσμοὶ χεῖρες αὐτῆς· ἀγαθὸς πρὸ προσώπου τοῦ θεοῦ ἐξαιρεθήσεται ἀπʼ αὐτῆς, καὶ ἁμαρτάνων συλλημφθήσεται ἐν αὐτῇ.

そして発見している←わたし自身が/苦い←に勝って←死/←その女性と共に/←罠(pl.)である,そして地引(pl.)である←彼女の心は.拘束具(pl.)である←彼女の両手は.善い男性は←神の顔の前で/自分を取り除くであろう←彼女から.そして誤っている男性は,捕獲されるであろう←彼女の中で.


26.1 LXXはMTにほぼ一致している.

26.2 「そして発見している←わたし自身が」

26.2.1 「発見している」(モーツェ)

 コヘレトのような知の探究者にとって,発見がつきものである.

26.2.2 「わたし自身が」(アニー)

 他でもなく自分自身が見つけた発見である.また聞きではない.浮力の原理を発見したアルキメデス(前287年? - 前212年)に通じる発見である.彼は風呂場で「アルキメデスの原理」を発見し,「ヘウレーカ! ヘウレーカ!」(発見した)と二回叫んだと伝えられる.この話の初出は,ウィトルウィウスの『建築について (De architectura) 』巻9であり,この出来事があったとされる2世紀後のことである.



26.3 「苦い(or より鋭い)←死より/その女性について」

26.3.1 「苦い(or より鋭い)←死より」

 「苦い」は「鋭い」とも訳せる.毒薬か短剣を想像させる.死に勝る脅威はあるのか?ある,とコヘレトは言う.

26.3.2 「その女性について」

 「について」と訳した「エート」は,通常は「を」であるが,ここでは「について」のほうがよい.コヘレトは,数々の発見をしてきたが,このたびは「その女性」についての発見である.「その男性」と読み替えてもよいであろう.男女関係の倫理である.わたしたちは,男女関係の倫理が緩い時代に生きている.その中で,どのような男女に警戒すべきであろうか?


26.4 「ところの←罠(pl.)である,そして地引網(pl.)である←彼女の心は.拘束具(pl.)である←彼女の両手は」

26.4.1 「ところの←罠(pl.)である」

 動物たちにとって,罠は油断大敵である.わたしたちに対して,巧妙な罠を仕掛けるたぐいの人間がいる.「ロマンス詐欺」はその一例.

26.4.2 「地引網(pl.)である←彼女の心は」

 私たちが魚であると仮定するなら,地引網を使う人間に捕まらないように,警戒しなければならない.地引網に魚が「なぜかかるか」は,網で魚を取り囲み,岸へ引き寄せることで逃げ場をなくす仕組み.魚が自分から網に突っ込むというより、「追い込み+包囲」で捕まえる.「彼女の心」,これが問題である.やさしい心の見せかけに,私たちは騙されやすい.「オレオレ詐欺」や「ドメスティック・バイオレンス」は,それである.

26.4.3 「拘束具(pl.)である←彼女の両手は」

 温かい両手で握られる.それだけではどういう人間であるかは,わからない.コロナ禍の外出禁止期間中に,計10回のキャバクラ通いが判明した力士がいた.「拘束具(pl.)」のような人物に嵌められた可能性がある.私が懇意にしていた知人は,ヒットラーと握手したことがあるが,柔らかい手だったそうである.


26.5 「善い男性は←神の顔の前で/逃げるであろう←彼女から」

26.5.1 「善い男性は←神の顔の前で」

 神(エロヒーム)から見て善い人間ともとれるし,神の前で善い心と行いにおいて生きる人間ともとれる.おそらく両方であろう.宣教師ニコライを連想する.


26.5.2 「逃げるであろう←彼女から」

 悪い人間から逃げる,これが男女関係の倫理におけるコヘレトの忠言である.『創世記』の,清廉潔白のヨセフを連想する(創世記 39章7-12節).



26.6 「そして悪をなしている男性は,捕獲されるであろう←彼女の中で」

26.6.1 「誤っている男性」

 「悪をなしている」と訳した「ホーテー」の定動詞は,「ハター」.その原義は,「誰かに対して罪を犯す」,「誰かに対して悪を行う」,「誰かに対して害を与える.

神の顔の前で善い人間の対極に,日常的に,神に対して害を与え,他者に対して害を与え,なおかつ自己に対して害を与えている人間がいる.


26.6.2 「捕獲されるであろう←彼女の中で」

 そういう人間は,男女関係の罠にかかりやすい.わたしたちは,敬神の宗教行為を貫き,自己の修養に日々努める必要がある.


27

רְאֵה֙ זֶ֣ה מָצָ֔אתִי אָמְרָ֖ה קֹהֶ֑לֶת אַחַ֥ת לְאַחַ֖ת לִמְצֹ֥א חֶשְׁבֹּֽון׃

見よ←そのことを/私は発見した.コーヘレットは言った.ひとつがひとつに(加わる),発見するために←総和を.

ἰδὲ τοῦτο εὗρον, εἶπεν ὁ Ἐκκλησιαστής, μία τῇ μιᾷ τοῦ εὑρεῖν λογισμόν,

見よ!そのことを私は発見した.言った←そのエックレーシアステースは.ひとつがひとつに(加わる),発見するために←総和を.


27.1 「見よ!そのことを私は発見した」

 コーヘレットが発見した「そのこと」(ゼー)は,何をさすのか?前のこと,すなわち男女関係の倫理のことか,それとも後のことか?後のことも,男女関係のこと.どちらでも,大差がない.


27.2 「とコーヘレットは言った」

 「コーヘレット」は,LXXでは「エックレーシアステース」である.集会の召集者という説があるが,確かなことはわからない.コヘレトではない別の人が,すなわち著作『コヘレトの言葉』の編者が,コヘレトに帰する伝承を記している.この著作は,コヘレトと呼ばれる人が,一気呵成に書き下したものではないことが,わかる.


27.3 「一つが一つに(加わる),発見するために←総和を」

27.3.1 「一つが一つに(加わる)」

 動詞がない.「加わる」を補った.コヘレトは,帰納法的推論を行っている.帰納法とは,個々の具体例から共通点を見つけて一般的な結論を導く推論方法.コヘレトは,人間の事象について,ひとつずつ入念に観察し.綿密に探求した.


27.4 「発見するために←総和を」

 「総和」と訳した「ヘシュボーン」の原義は,「計算」,「計算の結果」,「総和」.数字の計算で言えば「総和」ということになる.スーパーコンピュータとてない前2世紀後半の時代において,コヘレトは根気よく人間に関する事象を探求し,真理に到達した.「ローマは一日にして成らず」である.

 結論:悪い人間を見極め,交際を避けること.悪い人間から逃げよ!


 
 
 

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