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10/4 マタイ福音書のイエス (第93回)~悪意ある中傷への対処法〜

執筆者の写真: 平岡ジョイフルチャペル
平岡ジョイフルチャペル
4 日前
読了時間: 5分

2026年10月4日 主日礼拝

聖書講話     「マタイ福音書のイエス (第93回)~悪意ある中傷への対処法〜」

聖書箇所    マタイ福音書 11章16〜18節   話者 三上  章

       [聖書協会共同訳]  

      下線は検討を要すると思われる部分

マタイ福音書 11章 16節 今の時代は何にたとえたらよいか。広場に座って、ほかの者たちに呼びかけ、こう言っている子どもたちに似ている。17 『笛を吹いたのに/踊ってくれなかった。/弔いの歌を歌ったのに/悲しんでくれなかった。』 18 ヨハネが来て、食べも飲みもしないと、『あれは悪霊に取りつかれている』と言い、19 人の子が来て、食べたり飲んだりすると、『見ろ、大食漢で大酒飲みだ。徴税人や罪人の仲間だ』と言う。しかし、知恵の正しさは、その働きが証明する。」



16 Τίνι δὲ ὁμοιώσω τὴν γενεὰν ταύτην; ὁμοία ἐστὶν παιδίοις καθημένοις ἐν ταῖς ἀγοραῖς ἃ προσφωνοῦντα τοῖς ἑτέροις ⸃

誰(or 何)に私は例えるべきか?←この時代を.例えられる←子どもたちに←座っている←アゴラ(pl.)の中に//ところの←相手に呼びかけている.


16.1 「誰(or 何)に私は例るべきか?←この時代を」

16.1.1 「わたし」

 イエスをさす.イエスはしばしば例えを用いて教えた.

16.1.2 「誰(or 何)に・・・この時代を」

 「この時代」は,イエスを取り巻く同時代と人々,特にイエスに敵対するユダヤ教神殿支配体制を意識している.イエスはそういう連中を「誰(or 何)に」例えるべきかと思案する.


16.2 「例えられる←子どもたちに←座っている←アゴラ(pl.)の中に//ところの←相手に呼びかけている」

16.2.1 「子どもたちに←座っている←アゴラ(pl.)の中に//ところの←相手に呼びかけている」

 「子どもたち」は,歌遊びをしている子どもたち.イエスからみれば,神殿支配体制は,そういう悠長で暇つぶしをしている人たちである.彼らは神殿領域の中でいわばあぐらをかいている.「アゴラ」は公共の広場.公共の広場に座って,互いに話しかけている子どもたちは,ヘロデ神殿の中にあるサンヘドリンでいいかげんな討論している,ユダヤ教の指導者たちを示唆する.

 ローマ時代のアテナイのアゴラ


 神殿内のサンヘドリン


17 λέγουσιν · Ηὐλήσαμεν ὑμῖν καὶ οὐκ ὠρχήσασθε · ἐθρηνήσαμεν καὶ οὐκ ἐκόψασθε ·

彼らは言っている.「私たちは笛を吹いた←あなた方に,そしてあなた方は踊らなかった.私たちは哀歌を歌った,そしてあなた方は胸を打たなかった.



17.1 「彼らは言っている」

 聖書協会共同訳はこれを省略している.「彼ら」は子どもたちをさすが,暗にユダヤ教支配体制をさしている.


17.2 「私たちは笛を吹いた←あなた方に」

17.2.1 「私たちは笛を吹いた」

 「私たち」は,神殿支配体制をさす.「笛を吹いた」は,笛と踊りの遊びのことである.少女たちがアウロスという笛を吹き,それに合わせて少年たちが結婚式の踊りをした.

17.2.4 「あなた方に」

 ここでは浸礼者ヨハネとその共同体をさすと思われる

17.2.5 「そしてあなた方は踊らなかった」

 しかし,ヨハネたちは快楽的生活を拒んだ.衣服はラクダの毛衣,食べ物はイナゴに蜂蜜である.そういう質素な生活を,神殿支配体制は揶揄している


17.3 「私たちは哀歌を歌った」

 イエスと学友たちに向けられた中傷である.哀歌は,深い悲しみや嘆きの歌であある.神殿支配体制は,イエスたちにユダヤ教的掟の遵守を求めた.

17.4 「そしてあなた方は胸を打たなかった」

 しかし,イエスたちは掟に縛られない自由で楽しい生き方をした.それが支配体制からすると気に入らない.


18 ἦλθεν γὰρ Ἰωάννης μήτε ἐσθίων μήτε πίνων, καὶ λέγουσιν · Δαιμόνιον ἔχει ·

なぜなら,来た←ヨハネは/食べず飲まずのために.そして彼らは言う.「ダイモニオンを彼はもっている」


18,1 「なぜなら,来た←ヨハネは/食べず飲まずのために」

18.1.1 「なぜなら」

 例えを,福音書記者マタイは解説する.

18.1.2 「来た←ヨハネは」

 支配体制からしてみれば.「来た」は自分たちに向かって来た.何のためか?

18.1.3 「食べずに飲まずに」

 この現在分詞の意味を目的と,私は解釈する.飲まず食わずを目的とする生活かと,いびっている.


18.2 「そして彼らは言う」

 彼らは,ヨハネに対してきわめつけの悪口を言う.



18.3 「ダイモニオンを彼はもっている」

 「ダイモニオン」は,古代ギリシアのダイモーン神に由来する.人間の幸福・不幸を司る男性神である.そのダイモーンの形容詞中性形が「ダイモニオン」で,「ダイモーン神的な」と言う意味.ここでは,形容詞が名詞として用いられ,「ダイモーン神的なもの」という意味になる.異教の汚れた神,悪魔ほどの意味.因に,英語のデーモン(daemon)の語源である.


19 ἦλθεν ὁ υἱὸς τοῦ ἀνθρώπου ἐσθίων καὶ πίνων, καὶ λέγουσιν · Ἰδοὺ ἄνθρωπος φάγος καὶ οἰνοπότης, τελωνῶν φίλος καὶ ἁμαρτωλῶν. καὶ ἐδικαιώθη ἡ σοφία ἀπὸ τῶν ἔργων αὐτῆς.


来た←人間の息子は/食べたり飲んだりするために.そして彼らは言う.「見よ!人間だ←大食家で大酒飲み.徴税人たちの仲間そして罪人たちの(仲間).そして正しいとされた←その知恵は←から←その行為(pl.).



19.1 「来た←人間の息子は/食べたり飲んだりするために」

19.1.1 「来た←人間の息子は」

 次に,イエスに対する悪口である.「人間の息子」の「人間」は,ただの人間という蔑む意味合いである.福音書記者マタイからすれば,救い主イエス・キリストである.

19.1.2 「食べたり飲んだりするために」

 イエスとその仲間たちは,足るを知る生活であったが,反対者たちはそれを歪め誇張している.


19.2 「そして彼らは言う」

 「彼らは」,相変わらず神殿支配体制である.

19.3 「見よ!人間だ←大食家で大酒飲み」

19.3.1 「見よ!人間だ」

 イエスがただの人間(アントローポス)であると強調している.

19.3.2 「大食家で大酒飲み」

 根も葉もない中傷である.

19.4 「徴税人たちの仲間そして罪人たちの(仲間)」

 中傷は続く.イエスはそういう人たちと共に食事をいたが,「仲間」(ピロス)は中たらない.イエスは不正行為には与らなかった.


19.5 「そして正しいとされた←その知恵は←から←その行為(pl.)」

19.5.1 「そして正しいとされた」

 歴史を回顧すると,同時代の裁判において有罪・処刑となった人たちが,後に実は正しかった,大いに正しかった事例が数多くある.

19.5.2 「その知恵は」

 「知恵」は「ソピア」.そのソピアの代表が,福音書記者マタイの観点からは,

浸礼者ヨハネでありイエスであった.

19.5.3 「から」(アポ)

 ブドウの木からブドウの房たちを摘むの「から」である.


19.5.4 「その行為(pl.)」

 ヨハネは立派な弟子たちを養成した.それらの弟子たちの中の多くが,イエスの運動に参入した.それがマタイ教会のクリスチャンたちの立派な行いとして結実している.イエスは,ソクラテスや孔子や釈迦牟尼に比すべき知者である.

 悪意ある中傷への対処法は,立派な行いの堅持である.


 
 
 

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