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8/3 マタイ福音書のイエス (第47回)~〈心配〉の対処法(1)

  • 執筆者の写真: 平岡ジョイフルチャペル
    平岡ジョイフルチャペル
  • 2025年8月3日
  • 読了時間: 5分

2025年8月3日 主日礼拝

聖書講話     「マタイ福音書のイエス (第47回)

       ~〈心配〉の対処法(1)〜

聖書箇所    マタイ福音書 6章26〜27節   話者 三上  章


      [聖書協会共同訳]  

        ※下線は修正の余地があると思われる部分

26 空の鳥を見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。だが、あなたがたの天の父はを養ってくださる。まして、あなたがたは、鳥よりも優れた者ではないか。27 あなたがたのうちの誰が、思い煩ったからといって、寿命を僅かでも延ばすことができようか。

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 以下は原文の解明に基づく三上の私訳と講解です.


26 ἐμβλέψατε εἰς τὰ πετεινὰ τοῦ οὐρανοῦ ὅτι οὐ σπείρουσιν οὐδὲ θερίζουσιν οὐδὲ συνάγουσιν εἰς ἀποθήκας, καὶ ὁ πατὴρ ὑμῶν ὁ οὐράνιος τρέφει αὐτά · οὐχ ὑμεῖς μᾶλλον διαφέρετε αὐτῶν;

あなたがたは目をやってください/空(ウーラノス)の鳥たちに.それらは種を蒔きません.また収穫しません.また集めません←納屋(pl.)の中へ.そしてあなたがたの父は←天(ウーラニオイス)の/養っています←それら(鳥たち)を.他でもなくあなたがたは←ずっと上回っているではありませんか?/それら(鳥たち)よりも.


26.1 「あなたがたは目をやってください/空(ウーラノス)の鳥たちを」

 イエスの学友たちは,食べ物と衣服のことで心配していた.心配する人は下を見る.マタイのイエスは彼らの目を,空に,空の鳥に向ける.

26.1.1 この画像は,私の故郷の美唄市にある宮島沼とマガンたち.


26.1.2 このスプーン状の画像は,イスラエルにおける鳥の編隊.

26.2 「それらは種を蒔きません.また収穫しません.また集めません←納屋(pl.)の中へ」

26.2.1 それはそうである.鳥は人間ではないのだから.しかし,何もしていないのではない.生活のためにそれなりの労働をしている.

26.2.2 ローマ時代の農作業

 ローマ時代の農作業を瞥見しておこう.鳥たちも労働している.

26.2.3 「鳥さんヒントファイル」というHPによると.熱帯に住む野生の鳥たちの一日は以下の通り.

●睡眠:12時間以上●活動:寝床から移動,営巣地探し●群れの鳥たちと交流:3時間●羽根のお手入れ:3時間●餌探し+食事:6~8時間.飛んだり,齧ったり,つついたり,失敗したり、鳥たちはエサをみつけるために,とても多くの時間を費やしている.毎日がサバイバル状態.

26.2.4 オカメインコの採食

26.3 「そしてあなたがたの父は←天の(ウーラニオス)/養っています←それら(鳥たち)を」

26.3.1 「あなたがたの父は←天(ウーラニオス)の」

 誰のことか?「天の」と訳した「ウーラニオス」は「空の鳥たち」の「空」(ウーラノス)と似ている.「ウーラニオス」は「天に住んでいる」という意味.「空」は分かるが「天」はどこにあるのか?どこかにあると仮定して,どのあたりに天の父は住んでいるのか?宇宙論的概念ではなく宗教的観念である.

 そもそも天の父とは誰か?「私の父」なら分かる.私を養い,私が通った学校の学費を賄ってくれた.在学中は毎月欠かさず現金書き留めを送ってくれた.卒業後も,私が日本育英会から借りた奨学金を全額支払ってくれた.しかし,天の父から現金書き留めを送ってもらった覚えはない.

26.3.2 「養っています←それら(鳥たち)を」

 詭弁にしか聞こえない.私のオーストラリア留学中,中古自動車を買うお金を送金してくれたのは,私の父である.帰国する時の旅費を送ってくれたのも,私の父である.


26.4 「他でもなくあなたがたは←ずっと上回っているではありませんか?/それら(鳥たち)よりも」

26.4.1 「他でもなくあなたがた」

 イエスの学友たちに限定している.マタイ共同体の観点からは,自分たちの団体に所属するクリスチャンたちということになる.

26.4.2 「ずっと上回っているではありませんか?/それら(鳥たち)よりも」

 「上回っている」と訳した「ディアペロー」は「異なる」が原義.そこから「上回る」「優れている」という意味が派生する.「上回る」に「ずっと」(マーロン)という強調の副詞が付いている.「ずっと上回っている」とする人間至上主義の観点からは,そのように言うことができるであろう.他方,鳥たちにしてみれば,異論があるだろう.「鳥だって鳥なりの価値があります」.宗教的理屈は私に向かって言うかもしれない.「天の父が,あなたのお父さんを通してあなたを養ってくれたのです」と.私はきっぱり反論します.「いいえ.私を養ってくれたのは,私の父です.この父に私は全面的に感謝しています」


27 τίς δὲ ἐξ ὑμῶν μεριμνῶν δύναται προσθεῖναι ἐπὶ τὴν ἡλικίαν αὐτοῦ πῆχυν ἕνα;

あなたがたの中の誰が/心配することによって/付け加えることができますか?/自分の寿命に/1ペーキュスを.


27.1 「あなたがたの中の誰が/・・・できますか?」

 マタイ福音書のイエスは,「いや.誰もいない」ということを強調している.このような断定的否定は,福音書記者マタイの特徴である.彼は自分の頭を少し柔軟にすべきではないだろうか?

27.2 「心配することによって」

27.2.1 心配することは人の常である.

 今の食事ををなんとかするができたけれども,次の食事のための食料はない,という人たちが,世界には,そして日本にも大勢いる.そういう貧困の人たちに,心配するなというのは,冷淡以外の何ものでもない.

27.2.2 心配の長所

 一般に心配は短所だと考えられているが,あるキャリアコンサルトによると,心配には長所もある.以下の通り.1)丁寧に物事を進められる.2)リスクを想定して動ける.3)気配りができる.4)計画的に準備ができる.5)細かくチェックができる.


27.3 「付け加えることができますか?/自分の寿命に/1ペーキュスを」

27.3.1 「付け加えることができますか?」

 マタイは,できないと言う.

27.3.2 「自分の寿命に」

 「寿命」と訳した「ヘーリキア」は,通常「身長」を意味するが,文脈に合わない.「寿命」ととるべきであろう.マタイは,人間の寿命に無頓着であるように見える.他方,医療や福祉に従事する人たちは,日夜延命のために努力奮闘している.

27.3.3 「1ペーキュス」

 ラテン語では「クビトゥス」(cubitus). 肘から中指までの長さ.紀元前6000年ころの古代から,西洋の各地で使われてきた長さの単位.時間の長さに還元すると,どれくらいになるかは不明であるが,長さの基本的単位であることに鑑み,短い長さ,たとえば,一時間を想定することができるかもしれない.わずか一時間の生命,されど一時間もの生命.最後の息を引き取る前に1時間ある.しかも意識が明晰であるとするなら,多くのことを言ったり,聞いたりすることができる.


27.3.4 カゲロウの寿命の短さ


 カゲロウの成虫の寿命は非常に短く,種類によって数時間から数日程度である.たとえ数時間であっても,カゲロウにとっては全生涯である.私も一日24時間の寿命をもっと大切に生きなければならない

 
 
 

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