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8/17 第5回ダニエル書を読む:「幻は時代を映す鏡」(ダニエル書11章) 話者:日高嘉彦

  • 執筆者の写真: 平岡ジョイフルチャペル
    平岡ジョイフルチャペル
  • 2025年8月18日
  • 読了時間: 2分

序 黙示文学と幻の意味

ダニエル書11章は夢や幻の形式をとり、天上の天使長の争いや不思議な象徴が語られます。一見荒唐無稽に見えますが、実は記者が生きた時代を映し出すもので、鋭い社会批判と時代認識が込められています。記者は異国支配下で直接の批判が危険だったため、幻を通して時代認識と社会批判を表現したのです。背景は前2世紀エルサレム、ヘレニズム文化の波によりユダヤ教が衰退し、信仰者が迫害された時代です。

Ⅰ ペルシア帝国(11:2)

ペルシアは中近東とエジプトを支配しました。キュロスは捕囚ユダヤ人を解放し神殿再建を許しましたが、その後ギリシア遠征に失敗し衰退しました。特にクセルクセス1世がサラミスで敗北したことが大きな転機となりました。

Ⅱ ギリシア帝国(11:3–4)

「勇敢な王」と呼ばれるアレキサンダー大王は大帝国を築きましたが、急死し帝国は四将軍に分割されました。ここから「南の王」「北の王」に象徴される後継国同士の抗争が始まります。

Ⅲ プトレマイオス王国(11:5–9)

南の王プトレマイオス朝エジプトは、エルサレムを含むレヴァント地方を支配しました。娘ベレニケを北の王アンティオコス2世に嫁がせましたが、政略結婚は失敗し、ベレニケ母子は殺害され、第二次シリア戦争が勃発しました。

Ⅳ セレウコス王国(11:10–39)

北の王セレウコス朝は前半と後半に分かれます。

  • アンティオコス3世(10–19節):ユダヤ人を優遇しましたが、ローマに敗北し国力を失いました。

  • セレウコス4世(20節):重税で不満を招き暗殺されました。

  • アンティオコス4世(21–39節):簒奪で王位を得て「エピファネス」を名乗り、神殿を冒涜しました。大祭司オニアスを殺し、ゼウス像を神殿に据え、豚を犠牲とするなど徹底的にユダヤ教を弾圧しました。割礼を禁じ、殉教者が現れたのもこの時です。抵抗した「悟りある人々」は苦難を受けましたが、武力闘争を始めたマカバイ家とは一致できませんでした。

Ⅴ 「終わりの日」の幻(11:40–45)

40節以降は記者にとって未来の出来事です。北の王の最期について「海(地中海)と麗しの山(エ

 
 
 

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