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  • 執筆者の写真平岡ジョイフルチャペル

6/18 詩編を味わう 第5回「信頼の歌」

詩編を味わう第五回「信頼の歌」(要約)

                      日髙嘉彦

詩編の類型の一つである「嘆きの歌」は、苦しみや悩みを訴えるだけではなく、神への信頼を語る「信頼の言葉」で終わっています。さて詩編のなかには、「嘆きの歌」から信頼の言葉だけを抜き出した「信頼の歌」と呼ばれるものがあります。ヴェスターマンは「信頼の歌」は全部で10編ほどあると考えています。その中でも有名なのが詩編23編です。

詩編23編は時に、誤って理解されることがあります。つまりその詩に叫びや訴えが書かれてないからといって、神への「賛美、ほめたたえの歌」と取り違えるとその詩の本質を大きく読み違えることになります。嘆きがあればこその信頼なのです。そこで「信頼の歌」は独立した類型ではなく「嘆きの歌」の一部だと考える研究者もいます。

従って、詩編23編を読む時は、まず詩人のかかえている欠乏と乾きがどんなに苦しく辛いものであるかに思いを致す必要があります。つまり、比喩で用いられている羊飼いと羊たちとの旅のことです。パレスチナでは乾期になると、しばしば人でさえも水や食べ物にこと欠くことがあります。そこで羊飼いは草や水を求めて北に移動をします。厳しい暑さと乾きの中で、水と草を求めて羊のために身体を張り、命がけで羊を導く羊飼いの苦闘がその背後にあります。それは決して絵葉書に出てくるような草原でのんびり草を食む、牧歌的な詩ではありません。「信頼の歌」とは、神に感謝しほめたたえる歌ではなく、苦しみと嘆き、乾きと欠乏の中でも神に信頼を寄せる歌なのです。

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